不動産鑑定士と不動産の相続②

不動産鑑定士と不動産の相続②

不動産の相続続は、親や親族が亡くなった際に、その人が所有していた不動産(家や土地など)を相続人が引き継ぐ手続きのことを指します。この手続きには、法的な手続きや税金、評価の見直しなど、多くの重要な要素が含まれます。以下に、不動産相続続における基本的なステップを説明します。

1. 遺産分割協議
相続人が複数いる場合、不動産を誰が引き継ぐかを話し合う必要があります。遺産分割協議とは、相続人全員で相続財産の分配について合意を形成するプロセスです。話し合いがまとまれば、遺産分割協議書を作成し、全員が署名・押印します。

2. 相続登記
不動産を相続する場合、その所有者の変更を法務局で登記しなければなりません。これを「相続登記」と言います。相続登記をしないと、不動産の権利関係がはっきりせず、後に問題が生じる可能性があります。相続登記には、以下の書類が必要です。

遺産分割協議書
被相続人(亡くなった方)の死亡診断書または除籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
不動産の登記簿謄本
固定資産税評価証明書
3. 相続税
不動産を含む遺産を相続する場合、相続税がかかる可能性があります。相続税は、相続する財産の総額が基礎控除額を超える場合に課税されます。2024年現在、基礎控除額は以下のように計算されます。

基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例えば、法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円です。この額を超える場合、相続税の申告と納付が必要になります。不動産の相続においては、土地や建物の評価額を計算するために専門的な知識が必要な場合もあるため、税理士や不動産鑑定士に相談することが推奨されます。

4. 納税の猶予や軽減措置
相続税の納付が難しい場合、一定の条件の下で「延納」や「物納」を利用することができます。さらに、特定の条件を満たせば「小規模宅地等の特例」という制度を利用することで、相続税が大幅に軽減される可能性があります。

5. 売却の検討
不動産を相続しても、その不動産を利用する予定がない場合や、維持管理の負担が大きい場合、売却を検討することも一つの方法です。ただし、売却する際にも相続税や譲渡所得税が関わるため、慎重な判断が必要です。

不動産相続は、法律的・税務的な知識が多く必要となるため、専門家である不動産鑑定士に相談することが推奨されます。

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