不動産鑑定士が道路買収補償額の算定に際して果たす役割

不動産鑑定士は、道路買収など公共事業における補償額算定の際、土地や建物など不動産の「適正な価格」を専門的に評価・判定する役割を担います。

主な役割

• 適正な市場価値の判定

  • 不動産鑑定士は、対象となる土地や建物の「正常な市場価値（取引価格）」を、合理的かつ客観的に評価します。

  • これは、個別性が強く市場が限定される不動産について、もし自由な市場があれば成立するであろう価格を専門的知見により算定する作業です。

• 補償額算定の基礎資料作成

  • 補償額の算定においては、実際の取引事例、公示価格、標準地価格など複数の資料とともに、不動産鑑定士による評価額が重要な参考資料となります。

  • これにより、取得価格の公正さ・妥当性が担保されます。

• 専門家としての責務と判断

  • 不動産鑑定士は高度な知識・経験・判断力を持つ専門家として、その評価が社会的に信頼されるものであることが求められています13。

  • 補償額の算定プロセスでは、鑑定評価の各段階で事実に基づく判断を行い、最終的な責任を負います。

まとめ

不動産鑑定士は、公共事業の補償額算定において、専門的知見に基づき不動産の正常な市場価値を評価し、その結果を算定の基礎資料として提供することで、公正で合理的な補償額の決定に不可欠な役割を果たしています。